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虎猫さんと一緒にUMBを見に行ってきました!

UMBとは、毎年この時期に開かれる、文字通り一年間の王者の座をかけて争うMCバトルの大会で、一年間を通して地方予選(各都道府県ごと)が行われ、各予選の王者のみが本大会、UMB GRAND CHAMPION SHIP への出場を許される。

強豪MCたちが地元の看板を背負って戦う超大規模な大会なので、全員バチバチに気合が入っている。

そんな大会だが、俺はMCバトルの現場に行くのはなんとこれで二回目。しかも一回目は約二年前に渋谷でやっていた入場無料のバトルイベントだったため、本格的な大会を生で見に行くのは初めてとなる。

 

訪れたのは恵比寿のクラブチッタ。パンパンにヘッズが詰め込まれ、なんとほぼぶっ通し6時間、ライブとバトルを楽しんだ。

いや~めちゃくちゃ凄かった。優勝のGOTITはずっとカッコよくて、とにかく茨城県の看板を背負ってUMBを獲るということだけを主張し続け、優勝候補も勢いのある若手も全員なぎ倒して王者になってしまった。

特に準決勝でSyAchiという香川のMCと魅せた戦いは、双方の地元を想う気持ちがぶつかり合って衝撃的なベストバウトとなり、思わず涙が零れた。

MCバトルというとまだまだ違法薬物とかヤンキーの文化とかそういうイメージを抱く人も多いかもしれないが、実際に見てみると全然そんなこと無くて(勿論そういう側面が全く無いとは言えないけれど)、お互いのアツい気持ちのぶつけ合い、その上で生まれるお互いへのリスペクトはやっぱり見ていて心が熱くなる。何よりMCバトルはピースが前提の文化だと考えるMCも多い。

自分が信じるカッコよさを公表し、それが本当にカッコいいんだからラッパーという職業は凄いことだと思うし、だけど誰だって自分の思うカッコいいを発信すればラッパーに慣れる可能性があるという懐の深さが、HIPHOPという文化の良さだと思う。

 

カッコいいということについて、今日たくさんのMCの「カッコいい」を見て、やはりHIPHOPで体現されているのは「内面のカッコよさ」だよなあと感じた。

もちろんファッションもHIPHOPには重要な要素で、カッコいい、自分が好きな服や靴で自分を着飾ってステージに立つというのはラッパーとして前提の姿なのだろう。

だがそれ以上に、バトルにしろ音源にしろ、HIPHOPとは内面のカッコよさを表現することだ。今日のGOTITだと絶対にUMBを獲るという気概、以前自分がミスをして負けた16小節×2ターンのルールに自ら積極的に挑戦していく姿勢。

誰かを応援することだったり、自分を鼓舞するためだったり、大切な人たちのために気持ちを入れている時だったり、そういう時に内面のカッコよさが最大化されて、ヘッズに伝わってきて、心が痺れる。そう感じた。

バトルの幕間に前年優勝者、SILENT KILLER JOINTのライブがあった。何曲か披露していて、俺は彼の音源はあまり詳しくなかったのだが、その滲み出る「内面のカッコよさ」に食らってしまった。

彼は披露した楽曲の多くで「自由」を歌っていた。彼はストリート一本筋のMC、いわゆる悪いことにも手を染めているような、社会からすればはみ出し者、疎まれ者だ。しかし彼はあくまで自分の正しさを楽曲の中で主張している。「言いたいことも言えない場所じゃやりたいことすら見失う」と歌う。

悪いことをしていることは褒められたことではないが、人の目を気にすることなく「自分は正しい」という圧倒的な自信と行動で自由を歌う姿は、俺の心を掴んで離さなかった。「カッコいい」と思ったのだ。

悪いことをしていることがカッコいいんじゃない、内面からにじみ出る強さ、自分を貫くその姿がカッコいいと感じた。

 

MCバトルで食らいまくって、アツい気持ちのまま迎える年末。本当に特番のようなスケジュールが続いているが、去年まではバイトの都合上この時期は滅茶苦茶連勤だったから、ようやくこれぞ年末って感じでホクホクしています。