12/6

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今日はめちゃくちゃ曇っていた。

基本的に曇りよりも晴れの方が好きな人間だが、こと秋~冬に関しては(四季の半分じゃねえか)圧倒的に曇りの日の方が好きだ。冷え込む空気を吸い、退廃的な空の色を見ながら暗い音楽を聴いて歩くのが好きだ。非常に落ち着く。なんと暗く気取った習性だろうか。イタい中高生みたいな言葉は、もう22になった人間の口から発せられるべきではない。ただ実際外気温が低いと曇っている方が落ち着くのは事実で、無条件に自分が肯定されたような気持ちになる。そして冬の日の曇り空は、直接見ていてもなぜか教室の窓から眺めているような感覚になる。これに関して考察して見解を述べたいが、ここはポエムを書く場所ではなく日記帳なので慎むことにする。

 

そんな冬の学校を舞台にした辻村深月の小説「冷たい校舎の時は止まる」を読んでいる。「読書をしよう」と決める前から少し気になっていた小説で、けれどその分厚さ(今考えると大したことは無いけれど)に圧せられ手が出せずにいた。

そう、このかっこの中で書いたように、本を読み始めて一番良かったことは「俺って本が読めるんだ」と思えるようになったことである。分厚かったり難解だったりする書籍も臆せず挑戦できる。それは多様な種類の本に挑戦すればするほど、確固たる自信を持って思えるようになっていく。この世にある膨大な数の娯楽がアンロックされたような感覚で、例えるならば免許を取って車が運転できるようになった時、初めて苦いお酒が飲めるようになった時の感覚に近い。これから無数にある書籍のその全てに挑戦できるし、楽しむことができる。

そうは言っても「冷たい校舎の時は止まる」は非常に読みやすい作品で、登場人物は多いものの描写が丁寧でサクサク読める。読んでいると冬の学校のノスタルジックな匂いや音を想起させられて心地良いし、SFチックなストーリーで、一般文芸でありながらライトノベルを読んでいる時の感覚に近い。以前湊かなえの「高校入試」を読めた俺ならば、登場人物の多さに対応するのもお手の物である。

村上春樹とかに挑戦してみても良いのかもしれない。社会的な評判(実際の読後感的な意味)とかはよく分からないけれど、俺の周りには村上春樹のアンチが多くて、こんなに売れているのになぜアンチが多いのか(売れているから母数が多いだけか?)、あとは結構文体が独特なイメージがあるけれど、なぜそのような文章でも大衆に受け入れられてここまでの大ヒットに繋がっているのか自分で実感したい気持ちがある。「売れてるからすごいんだろうなあ」とかではなく「こりゃ売れるわ……」もしくは「なんでこんなのが売れてんねん!」のどちらかになりたい。海辺のカフカは何となくタイトルとあらすじに惹かれるものがあったので、もう少し後で挑戦してみようと思う。俺はこの世にある全部の本がもう読めるのだから。

 

夜は最寄が同じ大喜利の人たちとご飯に行った。先日のチーム戦で組んだ二人で、日を跨いでの軽い打ち上げのようなものだった。俺の家からほど近いのに一度も行ったことが無かったステーキハウスで食事をして、ハンバーグとステーキの合い盛りにご飯大盛り、サラダバーおかわり2回、デザートと、かなりワンパクな夕飯になった。大盛りを注文してから「大盛りは食べることに自信のある方のみ注文してください」との注意書きを見つけて冷や汗をかいたが、空腹なこともありぺろりと平らげてしまった。

ステーキもハンバーグも美味しすぎる。この前も日記でハンバーグの事を書いていた気がする。前まではそこまで意識したことは無かったけれど、俺ってもしかしたらめちゃくちゃハンバーグが好きなのかもしれない。あとサラダバーで久しぶりに生野菜を食べた。昔はパックで100円のサラダをスーパーで買っていたのだが、最近値上がりしてからあまり買わなくなってしまった。料理に野菜が入っているから良いか、とスルーしていたが、久しぶりに生野菜を食べたらめちゃくちゃ美味しかったので、やはり生の野菜も食べないといけないと感じた。ホリエモンくらい野菜について語ってしまった。

 

食べながら二人といろんな話をした!大喜利会の後のご飯や帰り道だと結局大喜利の話をしてしまうことが多いけれど、こういう場だといろんな話ができてとても良かった。大喜利の人には生徒会長経験者が多すぎる、ということが分かった。しかし最後には結局大喜利の話をしていて、俺たちは本当に大喜利のことが大好きなのだと思った。バイトだけで終わるはずだった一日を彩ってくれたお二人と肉に感謝……。

ステーキハウスや焼き肉に行くと、帰ってきた後もしばらく服にお肉の匂いが染みついていて幸せな気分になる。これが少し経つと「肉臭い」となるので不思議なことだ。家に帰って、名残惜しさを感じたまま服にリセッシュをかけて洗濯籠に放り込んだ。

 

東北遠征からずっと財布の紐が緩みっぱなしではあるが、それでも良いと思えるくらいお金を出して美味しいものを食べたり楽しいことをするのは素晴らしいことだと思う!昨日買ったドラクエも順調に楽しんでいる。Fランクの闘技場に出てくる敵がかなり強くてあと一歩で全滅するところだった。最初からこの調子では先が思いやられる。配合ができるようになるのは一体いつだろうか。

 

最近の俺は進撃の巨人と冷たい校舎の時は止まる、ドラクエ大喜利の動画、「出版区」その他YouTubeを同時並行で摂取していて、とても充実している。そして毎日この日記を通してアウトプットらしき作業をしているので、触れているコンテンツが娯楽全振りとはいえ結構良いリズムなのではないだろうか。残りの暇な大学生活は、こういう将来的な自己研鑽に必要なリズムやスキルを身につけることに注力したと思っておくか。